映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョー・ライト 監督「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」1975本目

ほんとだ、ゲイリー・オールドマンが太っちょの老人のチャーチルを演じてる。(ご冗談を!若い頃にシド・ヴィシャスを演じた男ですよ!)こんなおじいさんになってから首相に就任したの?可愛いタイピストリリー・ジェームズ、「ベイビー・ドライバー」のデボラです。

・・・でも・・・すみません、面白くないです。有名人をそっくりに、ちょっと皮肉っぽくユーモラスに演じるというのは、風刺画なら面白いけど、外国人の私がこの映画だけを見て心底楽しめるかというと、そもそもそういう意図で作ってないように思えます。画面は素敵なんだけど、絵で語る部分があまりなくて、会話劇なんですよね。小説を読んでるみたいで、絵で印象に残るのはやっぱり特殊メイク、というくらい絵に語らせてないところが、ストーリーにそれほど入れ込めない私には楽しみが少なかったのかも、と思います。

チャーチルについて。25年前にロンドンに行ったときに、地元の友達が連れて行ってくれたのが、彼の生家である世界遺産ブレナム宮殿でした。親が宮殿に住んでるとんでもない貴族!とびっくりしつつ、連れて行ってくれるということは、単なる過去の首相の一人というだけでなく、人気があるんだなぁと思いました。その後ダンケルクを描いた映画を何本か見て、国民を「生かす」決断ができた軍人ってあまりいなかったんだろうなと思いました。(もちろん戦勝あってのことですが。)それくらい「誰でもよく知ってる、親しまれている偉人」なのでしょう。

 それにしても、就任時すでにずいぶんおじいさんだなぁと思ったら66歳ですって。他にいなかった感強いですね。wikipediaとか見ても、首相就任後は短くて、その前が長い!