映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロバン・カンピヨ 監督「BPM ビート・パー・ミニット」1974本目

ジャケットしか見てなかったので、元気なヨーロッパのゲイの人たちの映画(例「パレードへようこそ」)かと思ってたら、「エイズ」が一番恐ろしかった時代の映画だった。

しかも、前半はACT-UPという活動団体の活動を描いた映画だと思っていたけど、やがて積極的なショーンと内向的なナタンの物語が描かれていきます。仲間が次々と倒れていき、自分も数値がどんどん悪化していく中で、活動はますます過激になっていくのは自然だったのでしょう。製薬会社に政治はつきものだけど、今は効果のある薬が誰にでも手に入ると聞いているので、それが本当である限り、良かったなぁと思います。逆にいうと、このころのHIVは中世の黒死病みたいに怖いよ。

早い段階で感染してしまった人たちに、こういう集まりがあって良かった。でもきっと、一人で消えるように行ってしまった人もたくさんいたんだろうな。

昔、この映画の舞台と同じ頃に、HIV患者で若くして亡くなったフランスのエルヴェ・ギベールという人の「楽園」という小説を読んだことがあったな。治療をしながら恋人と傷つけ合う夢を見るんだ。恐ろしいような美しいような世界だった。

この映画では、ナタンの優しさに救われるなぁ。