新藤兼人の映画を見るの、久しぶり。
<ネタバレあります>
この映画は割と晩年の作品。内容は1964年の「鬼婆」の舞台を変えたものなんだけど、こっちは現代劇でコメディ。社会風刺なのか?なかなかアクの強い役どころの大竹しのぶ、飢えそうになっていたのが急に何を思い立って魔法を始めたのか・・・可笑しいというか妙ちきりんというか・・・。それにしても入れ替わり立ち替わり、俳優がたくさん出てくる映画だなぁ。
「客」の皆さんには、リピーターになっていただいた方が上がりがいいんじゃないかという気もするし、変な映画なのです。
そしておもむろに、開拓地の失敗についてとうとうと語り始める大竹しのぶ。どんだけ社会派の鬼婆なんだー!
生き延びるのは、死にたがってる男だけ。彼以外はみんな、開拓団の失敗に責任があるような、ないような・・・。
しかし、多少でもお金を持った女たちが洋服にお金を使わないことなんて、ないのだ。旗を切って縫った服でも着てればいい、口紅くらい塗ってあれば・・・というのは男の考え。
まほうのお酒を飲んだ男たちは、泡を吹いた後、鶏やヤギや牛や馬になったのか・・・?ギャグというより「ガロ」のマンガみたいな濃すぎる世界・・・。