映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デヴィッド・クローネンバーグ 監督「イースタン・プロミス」1959本目

クローネンバーグ監督ってすごく奇妙な映画を撮る監督ってイメージだったけど、この映画の次に作った「危険なメソッド」はむしろクラシックな映画だった。この映画も、厳しい環境にさらされた人々を冷たくも甘くもない視線で見守る映画でした。

ナオミ・ワッツヴィゴ・モーテンセンヴァンサン・カッセルが出てるなら面白そうだ、と思ってたら、ナオミの叔父を演じてるイエジー・スコリモフスキーはなんと、私の度肝を抜いた「イレブン・ミニッツ」の監督であり、ポランスキーの「水の中のナイフ」の脚本家じゃないですか。ここでは頑固なロシアおじさんの役です。面白いなぁ!

映画の中では、ナオミ・ワッツヴィゴ・モーテンセンヴァンサン・カッセルも、いつもと違う、やけにアクセントの強い英語を話します。 ナオミはイギリス英語、二人はソビエト出身でロシア訛りって設定なのかな。

ひどい話なんだけど、どの程度リアリティがあるんだろうな。ないといいな・・・。でもどの国にも裏社会というものが存在するのかもしれない。知らないことがただラッキーなだけで。

サウナでの裸の格闘シーンは、確かに迫力があった。服を着ることで身体が守られてると思ってたけど、そうでもなかった。遺体を損壊する場面もショッキングだけど、自分の舌でタバコを消す場面も割と強烈です。言っちゃなんだけど、そんな場面でもカッコいいのです、ヴィゴ・モーテンセン。というか、どの場面でも画面に独特の美しさがあります。

ナオミ・ワッツはいつもの感じです。本当にその辺で暮らしていそうな普通っぽさ。悲しみも怒りも、共感できて親しみを持てる。この役が彼女でなければ、ギャングの心の中にある温もりが復活することはなかったのかもしれない、と感じるくらい。同じように他の出演者たちにも、じんわりとリアルな実在感がある。

この映画の結末の後、「シベリア鉄道」という名のレストランの赤いソファにかけている彼はどうなったのかな。。。

イースタン・プロミス [DVD]

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