映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・カーペンター 監督「遊星からの物体X」1944本目

1982年のアメリカ映画。南極の雪原を犬が走り回る冒頭の映像はキレイで、昔の映画って感じはありません。なんでかというと多分、これAmazon Primeで見たんですが、画質がHDで、DVDよりだいぶ解像度が高いのです。昔の映画ってBlu-rayで出直してるものが少ないですよね〜。宇宙から来た謎の生物の造形もすごいですね〜。最後まで人間や犬の顔がついてるところ、エグいけど見入ってしまいます。この造形の精密さ、完成度の高さ。仲間に擬態されちゃうともう何も信じられない・・・という設定が、SFでありながら、哲学的に人間の本性を描く「惑星ソラリス」のような深みも感じさせます。「サスペンス」って、日本語では「疑心暗鬼」かしら・・・。

この宇宙人、行き先の動物に擬態するのは生き延びるためだとしたら、ここまでの完成度に到るまでに、相当多数の星野生物たちを取り込んで来たってことだな。この生物の進化の道のりが、何より興味深い・・・。

遊星からの物体X (字幕版)

遊星からの物体X (字幕版)