映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リチャード・アッテンボロー監督「遠い夜明け」1943本目

なんでこの映画を先に見てから行かなかったのか・・・。南アフリカなんてもう一生、二度と行くことないのに。見てたらマンデラが投獄されてたロベン島にも絶対行ったのに。

ビコといえば、ピーター・ガブリエルの「ビコ」って曲が流れてたのは1980年あたりか。この映画が1987年だからずっと前だ。そして、アパルトヘイトが完全撤廃されたのは1994年、この映画の7年もあとまで続いてた。。。第二次大戦もベトナム戦争も知らない、当時子供だった私に、アパルトヘイトってのは自分が生きてる世界に存在する、一番見たくない現実でした。

アフリカの人たちのしなやかな強さ、自然のおおらかな大きさ、映像を見てると、そこにいた気持ちが蘇ってきてうっとりします。美しいところ、美しい人たちだったなぁ。白人にも黒人にも、フレンドリーで常識的な人がたくさんいるけど、信じられないひどいことをしてる人たちがこんなにいる。

この映画は、ひたすら真面目にシリアスに白人達を糾弾する、というのではなくて、ビコの軽妙な知性がチャーミングだったり、ドナルド一家の逃亡劇がすごくスリリングだったりして、とても面白かったです。

何よりアレですよ・・・私好みの二枚目ケヴィン・クラインの、軽すぎるノリのおかげで深刻さがやわらぎますよね。日本で言えば若い頃の近藤正臣か・・・。「ワンダとダイヤと優しい奴ら」ではおバカな役を嬉々として演じた彼を、この映画の主役に起用したリチャード・アッテンボローのキャスティングに拍手を送ります!

遠い夜明け (字幕版)

遠い夜明け (字幕版)