映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フェデリコ・フェリーニ 監督「ジンジャーとフレッド」1935本目

冒頭の老婦人に見え覚えがあります。「道」でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナです。このあふれ出る知性、常に何か考えている瞳、抑えても出てくる鋭い言葉。やっぱりこの人は若い頃から頭の弱い演技は無理だと思う。(「道」でそれでもみんな感動するのは、映画の建てつけによる様式に泣かされてるんじゃないのかしら)

タイトルだけ見ると、ジンジャーとフレッド本人たちのダンス映画みたいだけど、彼女とマルチェロ・マストロヤンニは「そっくりさん」。フェリーニ監督はサーカスやショーのような夢の空間を重視していて、テレビってものを多分あまりよく思っていなかった(あるいは世間的には悪いものだと認識していた)けど、彼らは「懐かしのそっくりさんショー」のようなテレビ番組に出演するため、数十年ぶりに再会を果たします。・・・という、かなりひねった設定。

といっても、「甘い生活」にしても、いつか終わることを意識した一瞬の華やかさ、というのを描いた監督なので、年月を経て「光と影」の影の方をテーマに取り上げたんだと考えると、不思議ではありません。

 シワも増えて体が動かなくなり、色々残念な二人が、舞台で再び最高に輝く。光→影→光。私はとんでもないグラマー美人とマルチェロ・マストロヤンニが戯れる映画より、こっちの方がいいな・・・。

ジンジャーとフレッド [DVD]

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