映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウディ・アレン監督「ギター弾きの恋」1924本目

またウディ・アレン借りてしまった。ヘンタイだし、ファンだなんて絶対思わないけど、彼の映画は実に面白い。(園子温に対するのと同じような愛憎の複雑な感情)

毎回、今度は誰がアレン風の饒舌さを演じるのかと思いながら見ると、ショーン・ペンが演じるギター弾きがその答えなんだけど、相手はなんと「mute」(口が聞けない)女の子。このハッティ(サマンサ・モートン)がなんだかとても可愛いんだ。フェリーニの「道」のジェルソミーナみたいだよね。性格がいい、というだけじゃなくて屈託がなくて明るいのがいい。

この人の映画では、「調子こいてるけど根はいい奴」は最後まで誠実になれず、どこまでも落ちて行って穴の底で苦笑してるイメージがあります。

男ってのは、あまり愛されると冷たくしたくなるものなのかな。愛されたいくせに、愛を返すことはプライドが許さない。まあそんな感じにこの映画も終わるわけです。

それにしてもアコースティックギターの音色ってなんて素敵なんでしょう。

私にもむかーし、むかーし、あるところに、曲を捧げてくれそうになったギター弾きがいたような、いなかったような・・・

 まあ、どっちにしても前世紀の出来事ですわね・・・・・

ギター弾きの恋 (字幕版)

ギター弾きの恋 (字幕版)