映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チャールズ・チャップリン監督「キッド」1916本目

1921年の作品。

とにかく子どもが可愛い。ぷくぷくしたホッペ、まっすぐな眼差し。演技とも思えない自然な振る舞い。昔のアメリカの広告イラストとかによくある、大きな帽子をざっくりとかぶった子どもの姿って、これがオリジナルだったんじゃない?チャップリンと並んで演技して全く違和感のない、勘のいい子どもですね〜。このジャッキー・クーガンという子役は、成長後「アダムズ・ファミリー」のフェスターをやった写真を見ても、生来のコメディアン気質を感じさせます。

この映画のストーリーは、この子が可愛いことで成り立ってるといっても過言じゃないのでは。かわいそうだなとホロリ、愛嬌たっぷりの動きにクスリ、翻弄される大人たちに大笑い。チャップリンの一途で無茶な行動も、この子を守るためだと思えば納得です。

母親の写真をうっかり暖炉に落としてしまって、いったん拾い上げるけれど「まいっか」とまた火にくべてしまう、この子の父親・・・とか、芸が細かいんですよね。冷血ってほどじゃないけど、この男には頼れそうにない・・・ってことを、この数秒の場面でしっかり伝えてる。こういう場面が、わずか50分の映画のなかに数百と積み重なってるから、この時代の映画は視覚効果が全然なくても本当に面白い。今だってこういう映画がもし作れたら絶対面白いと思うけど、作ってくれる人いないのかな。チャップリンは唯一無二の天才だ、というのはともかくとして・・・。

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