映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

サタジット・レイ監督「大樹のうた」1915本目

「大地のうた」は悲しくなるような映画で、幼い子供のいる家族の物語で、しんみりしながら見た。「裸の島」とか「自転車泥棒」のようなモノクロの画面。

<ネタバレあり>

この後に、まだ見ていない(レンタルもしてないし、、)「大河のうた」があって、この「大樹のうた」は完結編と聞いてる。才能豊かながら貧しい家に生まれ育ったオプーは、大学に入ったものの学業資金が得られず中退。その後も、一瞬のきらめき、その後のどん底、と言った浮き沈みが彼の人生に何度も訪れる。最後に彼の手に残った「息子」、家族というものは、学業やいい仕事より彼にとって大きな幸せをもたらすものになっていくかもしれない・・・

という、明るく美しい笑顔のラスト。

実際、オプーの不運は世界中の不運な人々に平等に訪れている普遍的な不運だ。運ばかりは変えられない。ただ、今この時代なら、これほどの才能があれば、彼はバンガロールに飛んでアメリカのIT企業のインド支社に就職してそこそこ余裕のある生活をドヤ顔で送れたのに違いないん。色々問題や欠点もあるけど、国別の貧富の差を才能別の貧富の差に置き換えてくれたIT産業ありがとう。(なのか?)

もっと救いのない映画もあるよね。オプーが最後に手にしたのは、可愛い息子だけじゃなくて、「希望を持てる心」だよね。

どれほど悲惨なことがあったとしても、この「楽観」があれば人間って割とどこででも生きていけるんじゃないかな・・・。

大樹のうた 《IVC BEST SELECTION》 [DVD]

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