映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ラース・フォン・トリアー監督「アンチクライスト」1910本目

この監督だし、他の人の感想を見たらかなり怖そうだったけど、覚悟して見たらショックはありませんでした。ウィレム・デフォー、シャーロット・ゲンズブールという見慣れた人たちの演技だったこともあるかも。

タルコフスキーに捧ぐ」と監督がいうのも、なんとなく伝わってくる。子供が部屋からいなくなるゆっくりとした映像、深い深い森の描写。でもタルコフスキーの映画には絶対ゲンズブールは出ない。絶対。

あと、タルコフスキーはここまで人間の欲望にずぶずぶに入り込んだりしない。恐ろしくクールだ。

深入りしてるんだけど、それほど重く感じなかったのは、映画の長さが104分と短めだからかな。とはいえ、楽しい映画ではなかったし、心にずっしりくる感じでもなかったです。トリアー監督の映画の中では、他の映画の方が好きかな・・・。

アンチクライスト(字幕版)