1979年の作品。脚本は新藤兼人。
今見ると違和感があるのは、蟇目良のエキゾチックな存在感の必要性がないこと。婚約者がいる妙齢の末娘が彼とずっと二人で探偵をやること。(婚約者が刑事なのに、ほったらかしで!)
長女が駆け落ちして外で暮らしてるっていう設定も関係してこない。松坂慶子が現れた時に片岡孝夫がそれほど驚かない。松坂けいこのお行儀の悪さに対して、父と母がひたすら寛容を装うのも不自然。妹に対して「妹へ」と手紙を書く奴はいない。手書きの手紙があるのに誰も筆跡鑑定をしない・・・などなど、ど〜もスパッと入ってこない。
でも、情緒的なサスペンスとして面白く見ました。
女優さんたちは皆、それはそれは美しく色っぽいし、片岡孝夫は女でもめる男の典型(地としか見えない)だし、キャスティングは絶妙なんじゃないでしょうか。
何より、邦題が素晴らしい。原題よりよっぽどエラリー・クイーンがつけそうなミステリアスなタイトルです。