映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アキ・カウリスマキ監督「マッチ工場の少女」1700本目

1990年の映画。
てことは、今から27年前。いつもの女優さんカティ・オウティネンがまだ「少女」で通る昔。仏頂面は今と同じですが(特に仕事中。目の周りのクマがすごい)、男と踊ってるときや、彼のベッドで幸せに目覚めたときなどの娘らしいうっとりとした表情は必見。(最近の映画でも、時々こういう表情を見せるときもあるけど)

カラフルでキャッチーで無愛想で残酷で笑える・・・例えると、週間の青年漫画誌に載ってる、すごく個性的な絵柄の新人のマンガを見たときみたいな気持ち。

カティの柔らかい金髪と、まだ子供のような首筋と・・・硬い表情が、やっぱり可笑しい。この監督にこの映画で初めて出会った人たちは、一体どんな気持ちになっただろう?
なんとも言えないこの気持ち。やめられません。