映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・マッデン監督「女神の見えざる手」1695本目

これは面白かった。
たまたま誘われて前知識ゼロで見た、という期待のないシチュエーションも良かった。
単に「どんでん返しに次ぐどんでん返し」というのでなく、人物たちを執念深いくらいじっくりと作り上げてるので、本当に見応えがありました。
ジェシカ・チャステインは、映画史上に残る悪女を徹底的に演じました。彼女の周囲の人々、例えばエズメを演じたググ・バサ=ロー 、ジェインを演じたアリソン・ピル ・・・。邦題が「女神<たち>の見えざる手」でも良かったんでは?と思うくらい、女たちの表と裏と裏の裏が、ムカムカするくらい、舌なめずりするくらい、最低でゾクゾクします。
男たちも良かったよ。正義を貫く強いキャラクター、マーク・ストロング。・・・この映画自体は、銃規制の賛成派と反対派のどちらにも明確につかずに中立を保とうとしてたと思うけど、反対派のスポンサーたちはサポートしづらい狸っぷりでしたね・・・。そして最後にジョン・リスゴー。弱さをよく演じていました。

息もつけないほど前のめりで見入ってしまいました。まだこの映画の面白さの少ししか言い切れてないのがもどかしいです。

彼はあのときなぜあんな証言をしたんだろう・・・彼女は最後に誰を見たのか・・・彼女のあの行動の背後にある、謎の過去って何だったんだろう・・・。気になることは色々あるけど、続編ができちゃったらちょっと引くかも。