映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ベルナルド・ベルトルッチ 監督「ラストタンゴ・イン・パリ」1677本目

1972年のイタリア映画。でも言語は半分英語、半分フランス語。
ベルトリッチ・・・一番好きなのは「1900年」だなぁ。「シェルタリング・スカイ」や「リトル・ブッダ」・・・よりもこの映画は浸れなかったです。たまたま巡り合った中年男性と若い娘の関係って、デュラスまたはやまだないとの「ラ・マン」の方が強烈だと感じたし(若い頃に見たからかも)

「バター」の問題の場面は、実際怖がって泣いてたけど、私が予想していたほどすごいインパクトではなかった。
それを、「気の持ちようによっては耐えられるから、なるべく気にするな」と彼女に言うのか、
それとも、「本当にショックなときって叫ぶことも激しく反発することもできないことがある。わかってあげなければ酷い」と考えるのか。
両方正しいのかもしれないし。

でも一番いいのはラストシーンだったな。マーロン・ブランドがベランダへ出ようとしてわずかな段差でよろめき、外を虚ろに眺めて「私たちの子」と謎の言葉をつぶやく。この場面は、うまく説明できないけど、歴史に残る。その後の少女の虚ろなつぶやきも良かった。

マーロン・ブランドおじさんは、「八月十五夜の茶屋」を見て以来、意外と腹の据わったコメディアン、にしか見えず、どこか愉快な気持ちになってしまいます。いい意味で。

マリア・シュナイダー、本当に奔放な子供と言う感じだけどマーク・ボランに顔と髪型が似てる。
どうでもいいけど。。。。