映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」1628本目

とても英国的な、英国らしい作品。(重複表現だけど、少しニュアンスが違う。こういう時どういう文章にすればいいんだろう)

心臓を悪くして失職したあと、手当がもらえず役所の対応に右往左往する男のお話なんだけど、彼の年齢は59歳なのでまだとても「老人」とは呼べません。同じように困っているシングルマザーのケイティも、本人には何も問題があると思えないのに翻弄されています。
最近殺人とかサイコとか戦争とかの映画はわりに見慣れているけど、こういうのは見ていて本当に辛いですね。
日本国内で、もがき苦しむ人たちの映画は、例えば「そこのみにて光輝く」はどうだろう。辛いけど、あらかじめわかっていた辛さに目を向けさせられたような気持ち。この映画の、憧れのロンドン近郊でこういう生活をしてる人がいるということは、それと違う辛さだ。辛いのは日本だけじゃなくて、どこにも逃げ場なんかなかったんだ、という「行き止まり感」みたいなもの。

みんなハッピー!というエンディングではないのに、それほど不幸な気がしないのは、ダニエルの潔さが美しいからかな。これがパルムドールを取るということは、でも、問題意識枠って感じが少しします。

わたしは、ダニエル・ブレイク [DVD]

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