映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジム・ジャームッシュ 監督「ストレンジャー・ザン・パラダイス」1618本目

1984年、そんな昔か、この映画も。
当時は、かっこいい映画を見るんだという意気込みで見たけど、女の子がドレスを捨てるところしか記憶にないや。あれ強烈だった。

そうそう、雪の街からマイアミに行くんだけど、気の利かない奴らと一緒でちっとも盛り上がらないんだった。
ハンガリー生まれの、カンフー映画とスクリーミン・ジェイ・ホーキングが好きな、かなり変な美少女。
(フランス人が必要ならジュリエット・ビノシュが演じたに違いない)

改めて思うに、やっぱりこの監督の映画はオシャレ系だと思わずに、日常の中にクスリ、というつもりで見るべきだな。女の子のキャラクターの作り方とかさ、この映画だと「ハンガリー」「カンフー映画」「ドレスを捨てる」「スクリーミン」みたいなわかりやすい変なポイントが多いけど、「パターソン」まで来ると、素敵でユニークなのは色彩的なセンスとかで、モチーフはギターとかカップケーキとか、割合どこにでもあるものを利用するようになってる。でも変わったのはそういう部分であって、本質的なものはこの映画も最新作も同じなんだな、と気づいた。