映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エリック・シャレル 監督「会議は踊る」1616本目

1933年にナチスドイツが発足する直前の1931年、ワイマール共和国末期に作られた映画。
舞台となっているのは1814年、強大なプロイセン王国におけるウィーン。ナポレオンの失脚後に開かれた「ウィーン会議」に参加するために訪れていたロシアのアレキサンドル一世が、可愛いウィーン娘と仲良くなるという、夢のあるお話です。
この会議は遅々として進まなかったので「会議は踊る」という言葉ができたのね。それをコミカルに仕立てたのがこの映画。

リリアン・ハーヴェイちゃん可愛い。大昔の映画だから、さぞかしお行儀が良くておしとやかかと想像してたら、むしろじゃじゃ馬でいたずらっぽく、恐れを知らない女の子ですね。今も昔も、人目をひく美少女というのは、ちょっぴり奔放なのかも。

昔の映画ってほんと、世界史の生きた勉強だわ。
この頃のヨーロッパって今と国境が全然違っていて、とても複雑。オーストリアで今もドイツ語が公用語なのも、この時代のことを知れば当然です。
ウィーンはヨーロッパのかなり東側ではあるけど、ロシアにたどり着くにはチェコorスロバキアからポーランドを抜けるか(今ならさらにベラルーシリトアニアラトビアハンガリーからウクライナを経由)で、かなりの距離があります。今も大きな街だけど当時はヨーロッパの中心だったんでしょうね。

酒場で歌う男の声がとてもいいなぁ。こんなお店でおいしいビールを飲んで見たい。これが名高い「ただ一度」という歌なのね。短い一生のうちただ一度だけ、素晴らしい時を過ごそう、というちょっと切ない歌です。出演者も監督もほとんどもう故人という映画を見ていると、ますます切なさが募りますね。

會議は踊る【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

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