映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジム・ジャームッシュ監督「パターソン」1615本目

最近わりと新作を映画館で見てる。楽しい。
パターソン、静かに優しい映画でした。
喉がフゴフゴするチーズと豆苗のパイを「おいしいよ」って食べてあげる。
素敵なフレーズも、そうでもないフレーズも、「美しいわ」って聞いてあげる。
毎朝、先に目覚めたほうが愛する人にキスをする。
そういう優しさのあふれる日々。私にもかつてあった・・・かな・・・
もはや誰にも優しい嘘をつく必要もない。
それはそれでスッキリしてるけど。

アダム・ドライバーが演じる、パターソンという名の詩人でありバスドライバーはパターソンの街を毎日規則正しく走る。
最後の最後に出てくる永瀬正敏がまた、いいですね。中途半端な無精ひげで、ズダ袋に地元の詩人の本を何冊も詰めて。彼のノートはバスドライバーのインスピレーションをたくさん受け止めることでしょう。
ゴルシフテ・ファラハニ 演じるローラの可愛いこと!
ユニークなセンスでキュートな歌を歌い、カップケーキを売る。可愛すぎてリアリティが薄いくらいだ!
でも、毎朝の目覚めの場面だけでも本当に幸せな気持ちになれる映画です。