映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

イエジー・スコリモフスキ 監督「アンナと過ごした4日間」1566本目

2008年といえばもう9年前。
「イレブン・ミニッツ」がなかなかスリリングだったので早速同じ監督の作品を見てみたわけですが、こっちはわずか94分の映画なのになんだかゆっくりと、見方によっては”冗長”にも見えかねません。

とはいえ、2本目を見るとその監督の人となりというか、人生に対する態度が少し見えてくる。
つまり彼はかなりヘンタイだな。普通の愛のあり方とか、予測できる成り行きとかはつまらない、もっとなんか変で面白いことはないか、と思ってる。

好きだけど手の届かない恋愛って世界中どこにでもあると思う。アイドルしかり、人妻しかり・・・。そこからどれくらい手や足を伸ばして相手に近づいてしまうか、というのが問題になるだけで。この監督は横恋慕する中年男を、ちょっぴり意地悪な目で愛でている。結局のところ、この中年男のことが可笑しくて、面白くて、可愛くてたまらないんだと思う。それに、普通の道徳って多分1種類しかないけど、逸脱すれば無限のオプションが現れる。
(・・・なんで私この監督の気持ちがこんなにわかるのかしら?)

こういうよく知らないヨーロッパの国の謎の監督の映画って、とりあえず真面目に見てしまうけど(ナチスの残党を扱った映画かもしれないし)、最初から(これはギャグかも)と疑って見る方が絶対に楽しめます。

それにしてもポーランドの郊外の家ってのは不用心すぎるし、アンナ熟睡しすぎ。
レンタルDVDの発売元が紀伊国屋(※絶対バカ売れしない文芸作品とか名作しか出さない)ってあたりがまた、渋いね!

アンナと過ごした4日間 [DVD]

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