映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レニー・アブラハムソン 監督「ルーム」1555本目

すごい題材。
いかにも、戦争と平和と堕落と疑問を経た現代らしい、今までの”勧善懲悪”や”ハッピーエンド”に疑問を投げかける作品だと思います。(同じ意味で、プリンス・チャーミングを全否定した「アナ雪」や、無知で清純な妻を全否定した「ゴーン・ガール」にも通じる)
つまり、少女のうちに犯罪者に拉致監禁されてその子供を産んでそのまま育てた、という衝撃的な事件とそのインパクトは、もはや製作者と見る側との”暗黙の了解”の領域にある、ということですね。男の残酷さを提示する場面なんてちょっとしかない。そこはもう暗黙の了解だから。

ブリー・ラーソン演じる熱く賢い母親も素晴らしいけど、ジェイコブ・トレンブレイくんの演じる少年の情緒が素晴らしいですね。彼の感情表現がここまで良くなかったら成り立たない作品です。

お祖父ちゃんを演じるウィリアム・H・メイシー、「ファーゴ」の時からだいぶ老けましたね(笑)

ルーム [DVD]

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