映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロン・クレメンツ 監督「モアナと伝説の海」1543本目

帰りの飛行機、3本目。
まあまあ現実に近い物語のつもりで見ていたら、モアナちゃんご飯も食べずに長期間冒険を続けていて、もはや神がかり!なんて意地悪なこと言わずに見てみたら、とてもほっこりと優しい物語でした。
環太平洋ネイティブのみなさんの汎民族的なお話だと思うけど、モアナとかマウイという名前の人たちが出てくるしアメリカ映画ということを考えると、舞台はハワイかな。太古の昔に彼らは丈夫な舟を作って太平洋に漕ぎ出し、島から島へと渡って領域を広げ、子孫を残してきたのかな。ディズニー的に教訓を読み取ろうとすると、「小さい町の中で、昔からのしきたりばかりにこだわって暮らすのでなく、もっと外へ漕ぎ出そう!」ということなのでしょうか。

ちょっとファニーフェイスなモアナ姫も、おバカなニワトリも、やんちゃな半身半人のマウイも、だんだん可愛くなってくるのがディズニー映画。製作者たちがキャラクターに愛情をたくさん注いで、生きたものたちとして作り上げていくうちに、立ち上がってくるものなんでしょうね。

私この、愛情豊かで勇壮な環太平洋の人たちがとっても好きです。