映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ティム・ロビンズ監督「デッドマン・ウォーキング」1504本目

ティム・ロビンズって人道的で心が温かくなる映画の人ってイメージがあったので、この映画の、なんというかオチのない感じがちょっと意外でした。

スーザン・サランドンいいなぁ。目が大きくて、溜めた涙の量だけでも演技が成立する。
ロッキー・ホラー・ショーではみるみるうちにダーティな世界に堕ちていく若い女性役だったけど、今回はシスター・ヘレン役。両方なんの違和感もありません。
まるでチャラいばかりの死刑囚マシューを演じるショーン・ペン、はまり役だなぁ。彼は、気持ちの不安定さ(そう見える雰囲気)が持ち味で、どっちにも転びうる感じとか、明確な意思なく流れていく感じとかが、ああこういう人っているんだろうなぁ、と思います。

人を殺すということは、俺であろうが政府だろうが全部悪い。と彼は言います。
そう、戦争で敵を殺すことも望まれなかった子どもも同じ。
でも、自分の前前前世くらいに(輪廻転生ってものがあるとしたら)、私自身が軍人だったり死刑執行人だったり誰かに殺されかかっていたりして、人を殺めることがあったかもしれない。殺すのが人間だから悪いのか?自分で手を下さないけど、毎日私はおいしいおいしいって言って生き物を食べてるよ?

死刑は怖いし自分で決められるんだったら死刑なんて制度は設けないけど、被害者やその仲間たち、私以外の大多数の人たちがその制度を必要だと思えば、多数決で存続するんだろうと思う。人間は元来、同じ種の生き物を殺さない動物というわけではないと思う。

だから・・・存続の是非だけがテーマなんだとしたら、この映画はあんまり面白くない。です。