映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クロード・ルルーシュ監督「男と女2」1454本目

原題にはちゃんと「20年後」って入ってるんだな。
1966年から20年がたった1986年。
思い出を映画にする、という形で再会するのはいいアイデアだな。(しかもミュージカルだ。面白い)
「ビフォーサンライズ」シリーズもずっと見てるけど、あの2作目はこの映画へのオマージュってやつかしら?
あっちでは、自分たちのロマンチックな体験を男が小説にして、それを読んだ女と奇跡の再会を遂げる。
この映画はちょっと映画と現実がごちゃごちゃしてて、大筋がつかみにくいけど、昔を懐かしんで、最も簡単に”焼け木杭に火”をつけてしまう感じが、フランスの恋愛らしく思えてじわっといい。

それにしても娘役の女優さん、アヌーク・エーメにそっくり。どうしても母の方がすごみがあるけど。
髪型やメイクを似せてるから似るんだろうけど、ここまでにせなくてもよかったのでは・・むしろ。

彼女がプロデュースする映画には、彼女自身の恋愛を描いたもののほかに、真相のわからない殺人事件を扱ったものもあって、そっちもノンフィクションなんだけど、犯人とされる人の主張を入れずにとってしまって訴えられるという事件も怒る。これが映画をややこしくしてる気がする。

かつてのベッドシーンを監督が「撮り直し」と言ったあとで、二人が20年ぶりにベッドインする場面なんかは、この監督らしくロマンチックでいいですね。