映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

イサベル・コイシェ 監督「しあわせへのまわり道」1442本目

これもTSUTAYAの配信無料で見ました。太っ腹〜。
大都会の中の、移民一世がフィーチャーされていることで、頭のどこかで、「マダムインニューヨーク」とか「ディーパンの闘い」とかを意識しながら見ているんだけど、パトリシア・クラークソン の表情を見ていれば、ディーパンほど悲観しないで見ていられることがわかります。

ベン・キングズレーが理知的で落ち着いてて、この映画の意図は”アジアの智慧”ってことなのかな?いや、素敵な異文化の男性に引かれることもあるけど、地に足をつけて日々を生きるのよ、ってことなのかな。
主な演者が、本当に、若くない。まだ「老人」ではないけど、もう勢いや気持ちだけで変わることはできないし、今まで積み重ねてきたいろいろなものですっかり荷物が重くなってる。そこに共感しながら見てしまいます。

気の迷いもあったけど、今まで通りの自分のままでいられてよかった!と、風の中をまた出かけていく、そんな爽やかな終わり方がよかったです。