映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

トッド・ヘインズ監督「キャロル」1412本目

2015年作品。
これは名作、というか、ケイト・ブランシェットのキャリアの頂点になりうる作品になりました。
1950年代に、夫と娘を持ちながら女性を愛して、それを自分の中で肯定して、常に美しく凛としてあろうとした女性。それをこれほど魅力的な人物に演じあげるなんて。彼女が見せたくない弱さや優しさが、目だけにあふれてくる瞬間の表情。

演技ってなんなんでしょうね。与えられた人物像になりきること、というだけじゃなくて、その人物の一番美しいありかたを模索して体現すること、かしら。

ルーニー・マーラの不思議な可愛らしさも素敵だけど、ケイト・ブランシェットが素晴らしすぎました。

キャロル(字幕版)