映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

木下恵介 監督「衝動殺人 息子よ」1318本目

1979年作品。
犯罪被害者の遺族という人たちの気持ちを、どこまで私は想像できるだろう?10年や20年で吹っ切れるようなものではないように思えるだけです。
仇討ちっていうものが認められる時代じゃないけど、その気持ちの行き場を探すのは当然の成り行きのように思えます。

率直にいうと、犯罪被害者や遺族を保護する法律は必要だと思うけど、税金から若干の見舞金があっても、生活の足しにはならないように思います。プライバシーや被害感情を法律で守って、生活は生命保険でカバーできたらいいのに…と思うけど、そんな単純なものではないのかな。

若山富三郎高峰秀子が、誠実で粘り強い夫婦を演じていて、共感できます。
犯罪被害者を保護する法律や給付金がこの後に実現できてよかった・・・。