映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

阪本順治 監督「北のカナリア」1314本目

2012年の作品。阪本順治監督で、主演が吉永小百合で、原作が湊かなえって。
不思議な組み合わせ…感情の起伏と清潔さと人間の汚さ?
でも退屈な映画とは思えないので、ちょっとどきどきして見ました。

北のカナリアたちと自称する子供たちのハーモニーは実際とても美しい。
大きくなった子供たちのそれぞれの生き様も悪くない。
しかし、吉永小百合 67歳vs 枯れた柴田恭兵61歳と若々しい仲村トオル46歳。さらっと三角関係というには、接点を見つけるのが難しい距離感。実年齢を忘れて、どこまで役の年齢に没入できるか…。
それにしても、清潔で強い美しさの吉永小百合がこのように流されるのは、あまり自然なことに感じられないです。

やたらと警官が出てくる。
クライマックスが近づいてきたら、もう少しだけ加速してほしかった。いくら阪本監督だとわかっていても、湊かなえ原作だから。辛いくらい残酷な殺害シーンも、出演者と一緒に見るものも痛みを持ちながら見るには、なくてはならなかったのになかった。
それにしても、オール・スター・キャストだ。贅沢すぎる。ちょっと目移りしました。