映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テレンス・ヤング監督「007 ロシアより愛をこめて」1313本目

1963年の作品。
この作品は、「ドクター・ノオ」と比べて、その後の007シリーズに近く感じられる部分が多いですね。
冒頭のグラフィックやテーマ曲の感じとか。第1作は”美人スパイ”じゃなくて無垢な若い娘をボンドが守ろうとするけど、この作品ではロシア人のとびきり美人のスパイと二人で旅を続けるし。美人スパイを演じたのはダニエル・ビアンキという女優。知的で上品で、純粋な感じがあって素敵…でも名前がロシアっぽくないな?調べてみたらイタリア人だそうです。中国人を欧米人が演じたり、この頃のイギリス映画のキャスティングはちょっとてきとうな感じがする。

ジュディ・デンチ的な役割かなと思われたクレッブが、意外と感情的で弱いのはちょっと期待外れかなぁ。
第1作でもこの作品でも、「M」と「スペクター」の存在は大きいので、直近の「スペクター」を見たばかりの人には、源流を見つけたような感じがあるのでは。

もっともっと盛り上げてよ!という欲張りな気持ちもちょっとあるけど、楽しみました。