映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

新海誠監督「言の葉の庭」1302本目

新宿御苑
じつは中はちゃんと入ったことなかったなぁ。今度雨の日に行ってみようかな。

この監督は、絵を描くことがすごく好きなんだろうな。ますます美しく精密で、なにかを目指して恐ろしく遠いところまで行こうとしてる感じがする。今回は水の表面の表現を死ぬほどがんばってる。

いくつも作品を見ていって、監督の思いや性格がすこーしずつわかってくるにつれて、なんとなく悲しくなってくる。素敵な人に直接向き合うんじゃなくて、側で見ているだけで、ずっとずっと思っていることが好きなんだろうな。公園でたまたま出会った誰かに向けて自分の思いを尽くす、というようなことをひたすらイメージしていることが。彼自身が少しだけ、作品が受け入れられるにつれて開いてきて、泣き叫んで抱き合うことができるようになったけど、その先はまだない。遠くにいて思っているだけ、という安心できる場所に戻ってきている。

安心して一緒にいて幸せになれる場所に、早くたどり着ければいいのに。