映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョージ・キューカー 監督「ガス燈」1290本目

1944年のアメリカ映画。かなり昔だな〜、というか戦時中ですね。
美しきイングリッド・バーグマンが主役のサスペンス映画で、疑惑の夫を演じるのがシャルル・ポワチエ、しぶとい刑事を演じるのがジョセフ・コットン。この3人が素敵です。
バーグマンは美しくて可愛いんだけど、だんだん狂っていくっていう演技がなんとなくわざとらしくて、無声映画の頃の演技みたい。演出にも流行のようなものがあるんだろうか。

バーグマンって、どこかモンゴロイド系が混じってる感じの北欧美人なんだよね。
<以下とつぜんネタバレ>
夫も、これほど可愛い人を妻にして、まだなにか他に欲しい物があるのかしら・・・。
普通だったら、”最初は犯罪のためだったけど、妻を本当に愛してしまった”というような恋愛ドラマになりそうなもんだが。
(祖国に妻がいるって話だったけど、そういう国家関係のことが大義名分として説得力を持ったのは、戦時中だからかな)

白黒ってサスペンスに合う、かな?
スリリングさ、緊張感、疑い、謎、などが自然と醸し出される気がします。
そして必ず出てくる、意外と重要な役割の老婦人。(この映画では鍵というほどではないかな)
それより何より、ヒントになっているのはタイトルの「ガス燈」(原題もそのままGas Light)。
今なら、「別の場所で電灯をつけた一瞬だけ、ぱちっとする」とか?あかり一つでは大した電気使わないから、そういうのはないかな・・・。