映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミヒャエル・ハネケ監督「コード・アンノウン」1287本目

2000年の、ハネケ監督のフランス語作品。
ジュリエット・ビノシュ、いい映画に出てますよね!若くて可愛い不思議ちゃんの頃より、中年以降はぐっと深みを感じさせるいい女優さんになったと思います。「ミヒャエル・ハネケの映画術」によると、ビノシュ自身がハネケ監督に「なんでもいいから出してくれ」と電話してきたんですって。

この作品はタイトルが示すような、暗号キーがないことによるディスコミュニケーションがテーマなのかなと思います。ビノシュがレストランで、甥っ子を殴った青年を見つけるくだりで、彼女がいつ席を立ったかわからないのに違う場所から歩いて現れるシーンは、監督がわざと観客を驚かせるために仕組んだ・・・とか、インタビューを読むと意地悪なハネケ監督の映画作りの一端がうかがえます。

登場人物の顔や名前を覚えるのが苦手な私には、断片的な場面場面をつなげて理解するのが難しかったけど、わりあい気楽に楽しんで見られた方だと思います。(ハネケ作品にしては)
物乞いの女性の顛末なんか、本を読まなければ理解できなかっただろうなぁ。
しかし、いろんな人たちが、ちゃんと顔を見て会話してコミュニケーションを取っているのに、ひとつも噛み合ってないのが、じわじわっとキモチ悪さになっていきます。通じ合うのは聾唖の子たちのドラムの音だけ。こういう、際立つ落ち着かなさ、がこの監督のテーマというか特徴。

(日本の劇場では未公開だし単体DVDは売り切れ、ボックスセットはお高いけど、TSUTAYAでちゃんと借りられます!)