映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミヒャエル・ハネケ監督「カフカの『城』」1281本目

不条理劇って、悪い夢みたいだな。
でも、ハネケ監督の作品には、その後もずっとどこかこの"悪い夢”みたいな感じが続いてる。
こういうのを舞台で神の視点で演出しつづけていたので、もっと驚きを!もっと胸にガツンとくるものを!とエスカレートして今に至ってるんだろか。(すごい地点まで至ったものだけど)

英語以外の外国語の映画は、ちょっとでも目を離すとまったくわからなくなるので、がんばって見るんだけど、この映画はしばらくそうやって格闘したあと、30秒や1分や2分目を離しても、10分や30分離しても、いやもう映画自体を見なくてもたいして変わらないような気がだんだんしてきた(←不条理的な世界に入り込んでるつもり)。

それにしても、これほどハードコアな不条理劇をテレビ用に制作させる局があるなんて。ヨーロッパのメディアってのは、どれほど成熟してるんだ。この作品を作ったのが「ファニーゲーム」の後ってのも衝撃。曲りなりにもカンヌを騒がせた作品を発表した後に、こんな舞台の時代の名残りみたいなカルト的な作品を作るなんて。

そのテレビ局というのはハネケの出身国オーストリアの局らしい。カフカチェコ人だけどドイツ語話者なので、ドイツ文学圏であるオーストリアのテレビ局から見てもメジャーな存在だったってことですね。

理解しようなどと思わないで見る分には、キリコの絵みたいで面白い。
がんばらず、最初からぼんやりと眺めればよかった。
どうせ途中で唐突に終わるんだから。