映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チョン・ジュリ監督「私の少女」1263本目

これはまた、ズーンときますね。
韓国のひとたちは、心が深い。感情が深い。と感じてしまいます。
ペドゥナ演じる漁村の駐在所長も、孤独を持ちながら誰にもそれを見せずにいる。
天才的なキムセロンが演じるドヒは、”不幸な家庭に生まれて虐待を受け続けて、なにかが歪んでしまった少女”という、いくら想像してもしきれなかった姿を、ほら、と見せてくれる。
所員たちが感じる「気の毒なんだけどちょっと嫌な感じ」を、見る人も最初は感じる。でも彼女の痛みを共感しはじめると、もう他の役ではなく彼女が自分に思えてきて、なんとも苦しくなる。

自分を汚して、貶めながら生き延びてきた彼女の大人たちへの薄ら笑いを、全部わかって受け止めて、所長は最後にどうするだろう。あの家に戻ったら彼女はどうなってるんだろう。
最後の最後に涙まみれの彼女の顔を覗き込んで、所長は何て言うんだろう?

諦めないで生き延びることが一番カッコ悪くて一番苦しいけど、そうやっていくんだよな。
韓国映画らしい暗い情緒にあふれた、いい作品でした。