映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ガブリエレ・ムッチーノ 監督「幸せのちから」1259本目

いいお話や。

アメリカ人ってのは、苦労とか貧乏とかを隠し通して、まるで何もないみたいに平気な顔をしたがる人たちなんだな。強がってるうちに本当になってくる。
この映画のモデルになったクリス・ガードナーの実際の人生は、これとは違う部分もたくさんあるようだけど、インターンシップ期間中ホームレスだったことや、医療機器を売り歩いていたことは事実だって。
それにしても、医療機器を歩合制給料にするのでもなく、セールスマンが買い取る形になってるってのは、弱者にひどい会社だ。フルタイム6ヶ月のインターンシップがまったくの無給ってのも、いくらなんでもひどい。強いものが弱いものを搾取して生き延びるのがアメリカン・ドリームで、弱者から成り上がれるとんでもないエネルギーをもった人がヒーローと呼ばれる。

アメリカはそれでいいのかもしれない。

ウィル・スミスの演技があいかわらず爽やかで、ついつい共感してしまいました。