映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

パオロ・タヴィアーニ 監督「サン・ロレンツォの夜」1255本目

1982年のイタリア映画。
第二次大戦末期の、終戦前夜、イタリアの”つま先”にある小さい村がドイツ軍の攻撃を受け、村人たちは村を後にする。逃げ惑う彼らが逃げ込んだ教会が爆破され、未来を担う妊婦もやられた。それを6歳の”わたし”は見ていた。

語り口がとても、なんというか日常的で、天気のいい日に村はずれにピクニックに行く・・・というのと同じように、逃げたことや撃たれたことが広角で描かれます。これが6歳の子供の視点なんだな。
「ざわわ、ざわわ、さとうきび畑であの日・・・」という歌のように、いつもと同じ草原で、パンっていう短い音で、おばあちゃんやお父さんやおじさんが倒れた。・・・この語り口がなんともいえません。

大泣きしたり、激昂したりする人のいない日常のなかの戦争を、しずかに描いた名作でした。