映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダルトン・トランボ 監督「ジョニーは戦場へ行った」1246本目

1971年のアメリカ映画。
「民主主義のために戦うんだ。なんのことかよくわからないけど、民主主義というもののために戦うのがこの国の若者のやることなんだ。」
まだ終わりの見えないベトナム戦争を、アメリカの若者たちが戦っていた時代の作品なので、そのときの大義名分が「民主主義」だったんですね。それにしてもすごいのは、この映画を作ることを禁止しなかったアメリカの大きさだ。少なくとも一部に、気骨のある、健全なジャーナリズム精神ってものがあの国にはある。日本にはあるかもしれないけど見つけられないくらい小さい。

ジョニーは20歳の、どこにでもいる青年。君もジョニーだ、私もジョニーだ、みんなジョニーだ。
外界と完全に遮断されて、回想と空想しかすることはない。出征前夜に一度結ばれただけの彼女のことも、父親や戦場での仲間のことも、空想のなかでリアルに生き続けているけど。
初々しくて可愛い、回想のなかの彼を見ていると、胸が詰まる。

潜水服は蝶の夢を見る」のような映画や、ALSのような病気の存在が今は広く知られているので、当時この映画を見た人のショックとは比べ物にならないと思う。ただ、この映画は、戦争が悪いんだ!と100%怒りをぶつけられるけど、病気の人には責める相手はいない。誰か助けてあげて・・・。映画だけど。