映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バズ・ラーマン 監督「華麗なるギャツビー」1226本目

華やかだけど、悲しい映画だった。
デカプリオは、演じる役の感情に入り込める俳優だ。すごいエネルギーをもっていて、映画のなかにそれが放出される。
デイジーを演じたキャリー・マリガンも、話を聞いたときは「?」と思ったけど、育ちの良さと人柄の暖かさを感じさせて、愛される女性を演じきれてる。
トビー・マグワイアは、「サイダーハウス・ルール」でも一人称で語り続ける主人公だった。傍観者が似合う役者だと思われてるんだろうか?ぴったりなのは確かだ。

とにかく美しい映画です。ヴォーグを1年間作り続けるくらいの労力がかかってる。極めようとしてる。そこまですれば美しいものがここまで作れるんだ。なんというか、ゲイの監督が作った映画かと思った。監督の妻のキャサリン・マーティンがこの美術監督だそうです。洋服も宝石もセットも何もかもビジュアル的に美しいけど、音楽も美しくて細密に作られてる。時代考証よりも大事にされているものに一貫性がある。この完成度が高ければ高いほど、ギャツビーという男のデイジーへの思いの偏執狂的な深さや愚かさが感じられて、切なくなります。
ここまで一人の誰かを愛せたら。

ブルーレイの特典映像として、ハイなかんじで語り続ける監督、俳優たちやスタッフたち、作りかけのCG映像などが盛り沢山に入っています。これがまた楽しい。美しいものを愛し、手元に置きたいと思う人なら、買う価値あります。

この映画を、華やか過ぎると評した専門家がいたとしたら、何もわかってないなぁ。この喧騒の華やかさこそが、ギャツビーという男の狂気なのに。