映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

小林正樹 監督「怪談」1199本目

1964年の作品。これもずっと見たかった。
かなり昔だし、てっきり白黒のおどろおどろしい作品かと思ったら、カラーで美しい。耽美的な作品だったのですね。オムニバス形式で4話が次々に語られますが、完璧に作り込まれたセットの中で、美しい大昔の紙芝居のような独特の世界が広がります。怖いというより不思議な異世界

役者さんも素晴らしい人が揃っていて、本当に完成度が高いです。
「雪女」の空の真ん中の目。
耳なし芳一」の弾き語る平家物語の生々しい映像。
「茶碗の中」で狂いはじめる侍の表情。

これは今映画に興味のあるひとたちが、もっと見た方がいい映画だなーと思います。