1985年作品。
西部劇のスターが、アメリカの良心そのもののような映画を撮り続ける映画監督になるまでに、どういう変遷をしてきたんだろう?と不思議に思っていたのですが、この映画は(この監督の昔の作品はほとんど見ていないので想像ですが)西部劇のスターと、孤高のアンチヒーローが共存している、意外に深い作品だなぁと感じました。
「ペイルライダー」というのは、聖書に不吉の象徴のように書かれている”青ざめた馬”のことなので、牧師はヒーローではなく結局のところ町に死をもたらして去っていった幻のような存在であることを示しているのだと思います。この頃の西部には、邪魔者をドカドカ殺す極悪人がたくさんいたのかもしれない。死は重い。悪人でも重い。痛快な西部劇のようにはいかない。悪人が死ねば神様の思し召し・・・ではなくて神の子の牧師が手を血で染めて孤独を増したのだ、ということを描こうと決めたんだな、きっと。
全然期待してなかったけどいい映画だったかも。