映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

サム・ウッド監督「誰が為に鐘は鳴る」1126本目

1943年、原作が刊行されてすぐ作られた映画です。原作がどれほど売れたか、想像できますね。
ヘミングウェイがどういう人物だったのか、ずっと考えてるんだけど、性的で暴力的な”男のサガ”と、知的で冷静で気弱な部分とが常にせめぎあっている複雑な人という印象で、なんでこの人の小説がそれほど大衆受けするのかがまだ全然わかりません。

この映画は、スペイン内戦に乗り込んできたアメリカ人教授の話なんですね。
人道的な見地から、ファシストと戦うゲリラの援軍に行かずにいられない一般市民。映画では自己犠牲ヒーローの面がおもに描かれているけど、原作の評論とか感想をネットで見てみると、教授の性的欲望の強さがほのめかされていたりもします。ヒーローものなんて、みんなそんなもんじゃないかと思うけど・・・。

まあ、女性からの視点のひとつもない、男性的な内戦ロマンス映画ということでした。