寺島しのぶ、きれい。
顔の肌もとってもきれいだけど、体もすみずみまできれい。
これほど女性の肌を美しく撮れるのは女性監督かしら、と思ったら、ピンク映画出身なんですね。で、原作が女性。なるほど。
あと、トラックが走っていく夜明けの道が美しすぎる。一瞬ロードムービー?と思うけど、たくさんの人と出会うんじゃなくて、二人というか一人の寺島しのぶを深く深く深掘りする映画なので、トラックに乗った密室ムービーといったほうがよさそう。
音楽はこだわってるというより、好きなものをランダムに並べたみたいで、なんとなくちょっと唐突だ。
深夜のコンビニの駐車場でふらりと男のトラックに乗り込んで、そのまま出かけていく。車のなかで夜が明ける。
いいなぁ自由って。
彼女が問題を抱えてることは最初からわかってるんだけど、心と体を開いていくうちに「好転反応」みたいにぶわーっと心の中の悪いものが出てくる。心の中のものと一緒に胃の中のものも吐き出そうとする。本当に吐きたいものほど、なかなか吐けない。心の底からやっと涙がボロボロ出てくる。
なんかすごく、痛いけど、人間っておもしろいなぁ。
やけによそいきの澄ました顔で最初は出てきたけど、だんだん彼女の中身がむき出しになっていく。
さらっと別れたあとは、こいつのことをずっと思い出すんだろうか?いい男って次々に出会えるもんでもないだろうから。