映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「サボタージュ」1052本目

<ネタバレあり>
1936年、ヒッチコックのイギリス時代の作品。

いかにもヒッチコックっぽい、人のよこしまな心の動きを追うカメラワークは随所に健在。というよりむしろ、ゾクゾクするような印象的な場面がたくさんあります。

「だ〜れが殺したクックロビン♪ (Who killed cock robin?)」というパタリロで有名なフレーズが実際に歌われている映画(アニメーション)が上映されている場面は、妙齢の日本人の琴線に触れまくりでしょう。
※ ググってみたら、このアニメーションは1935年のディズニーの「Silly Symphonies」という一連のアニメーションの一編ですね。制作年代が近くて、すごく旬なネタを自分の映画に取り入れた、という感じです。

弟を亡くした主人公は、夫の言い訳に丸め込まれそうになっていたけど、映画館でこの連呼に背中を押されて夫への憎しみが急に募ってきます。
震える指。ナイフを取り上げそうになってためらう手。それを見咎めて目を大きく見開く夫。彼が先制攻撃をしようとしたのに、彼女の指は素早かった。。。。この一連の場面は、かなり印象的でした。

この映画には物足りないところもあります。フィルム缶と爆弾を持って遅刻を気にしながらバスに乗っている子どもと、じゃれてくる犬…この場面の一番おもしろい決着は、決して「全部吹っ飛んだ」ではないと思うので、もう少し楽しませてほしかった。