映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リチャード・アッテンボロー 監督「遠すぎた橋」1051本目

1977年の作品。
オランダのアーネムの橋の近辺で繰り広げられた、第二次大戦中特に壊滅的だった戦闘を描いた映画、だそうです。ヨーロッパの国々って、あの面積の中にあれだけ多様な言語や文化が自己主張をしつづけてきて、大昔から国境線を何度も何度も変える死闘を続けてきた地域なわけで、戦争をしていないというのは緊張を保ち続けているということなんだと改めて思います。

昨年末からドイツに旅行したときにデュッセルドルフ近郊からアムステルダムに列車で移動して、特急に乗り換えたのが確かアーネムという駅。国境に近いということ以外は何も印象に残っていなくて、ドイツとオランダで街並みが急に変わったということもなかったです。

この映画はスターが大量に出演しているおかげで、各国軍の個性的な人たちがそれぞれ魅力的に映ります。どの軍が良くてどの軍が悪いというふうに感じられず、ただ戦争で乱雑にランダムに人が殺されていくだけ。戦争なんて愚かで恐ろしいことはやっちゃいけない…という思いを強くします。