映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

黒木和雄 監督「紙屋悦子の青春」1049本目

古いような新しいような映画だ。
老人メイクがまるで初々しくて、小学生が老人のふりをしてるみたいで、この監督はどういう人なんだろうって思った。実は老監督の最後の作品だったんですね。

会話で語らせるという作りになっていて、カメラワークはまったく固定。昔のホームドラマみたい(というより観客の視点が動かない、舞台みたい)。なにかとても清潔できれいな世界。戦争に美しい部分があったなんて思いたくないけど、命の盛りの若いうちに死に直面しなければならなかった男女の、この澄み切った感じは、たるみきった私たちには真似のできない世界だ。

原田知世ってすごくいいですね。子どもの頃から真摯で純真な印象が強かったけど、大人になってもいいお芝居をしますね。最近の、テレビの「紙の月」もよかった。
昔の人の純情さが彼女を通じてすとんと腑に落ちました。