映画と人とわたし

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

山崎貴 監督「永遠の0」982本目

話題作を避けて通るより、好きでも嫌いでも見てから文句を言おうと思って、やっと見ました。

あんまり人の心に対する想像力のない説明的な映画だな。この映画が与えようとしている感動の質は「一杯のかけそば」に似てる。人間の真摯な迷いや戸惑いや、腹の底から湧き上がる愛情とか、そういう掴み取りにくいものに真剣に取り組んだんじゃなくて、3行くらいの言葉で書き表せるシーケンスにたっぷり肉をつけたような。
真剣に見れば見るほど感動が薄くなるような思いがします。

この映画が、先日亡くなった今井雅之の「Winds Of God」と違うのは、特攻で死ぬことは「バカだ」という絶対的な認識があるか、それとも自分を捧げる美しいものとして認識するかという点だと思います。

出演者とかカメラワークとかも、説明っぽくてテレビっぽい気がする。
脚本が、生きてなくて後付け・辻褄合わせっぽい。生きた人間だって、自然の感情より現実を選んでそれに気持ちを沿わせようとすることもあるけど、2時間半ずっとみんなで本当の心の動きを封じ込めてるみたいだ。

映画のたのしみ、というのがあんまり感じられなくてつまらないんだけど、疑わずに与えられたものを受け入れられる純粋な人には感動的に思える、んだろうか。