映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アレハンドロ・アメナーバル 監督「アレクサンドリア」928本目

なんでスペインはこれほどお金や手間をかけて、この映画を作りたかったんだろう?
スペイン語圏ってけっこう広いと思うけど、この映画が英語なのはどうしてだろう?
舞台はエジプトなのに。スペインはアフリカ大陸と、目と鼻の先だけど。(といってもエジプトはけっこう遠い)
本当にこの、アフリカ大陸特にイスラム圏と、南ヨーロッパとの関係って、全然見えてこないけどどういう感じなんだろう。

エジプトは大昔に旅行したことがあって、アレキサンドリアは「日程上どうしても行けなかった、地中海に面した町」としてずっとなんとなく残念な思いを持ち続けている場所。ナイル川河口近くのカイロ、上流のルクソールやアスワンと違って、アレキサンドリアはまさに文明発祥の地だ。こんなすごい女性科学者が実在したという恐ろしい事実。予想通りの恐ろしい結末。人間の歴史はとてつもなく昔から、マジョリティがマイノリティを徹底的に迫害することの繰り返しだ。

もう少し言うと、この映画がこの時代に作られるということは、(官僚のなかにアフリカ系黒人も混じっているのに)女性というのが今も世界的にみると迫害の対象になっている(だから見る人の共感を得られる)ということに他ならないんだよなぁ。

うーん。真面目なことを書いてしまった。