映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アスガー・ファルハディ 監督「別離」915本目

イランの映画って初めて見ました。
ベルリン映画祭で金熊賞を受賞ということで、私好みの映画かな〜と思いましたが、ずっとみんな怒鳴りあってる映画ってちょっと苦手…。

イランはイスラム教の国のなかでは、比較的女性が表に出やすいときいたことがあります。この映画のなかでも、髪を覆ってはいるけど、少女が行く学校には男性と堂々とわたりあう女性教師がいるし、自己主張を大声でできる女性達に弱さはそれほど見えません。仕事に出るために夫に嘘をつくとか、どこか当然に、男性に守られる立場の女性という役割は感じられますが。

そういう文化のなかでも、人間の気持ちの動きは本当に共通だなと思います。
小さないたずら、隠しごと、嘘、恐れ、涙、別れ、
家庭裁判所の廊下で父と母が待ち続ける長い場面は、ヨーロッパ映画のような感じがしました。