映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフォンソ・キュアロン監督「天国の口、終わりの楽園。」865本目

映画自体はスペイン語、英語字幕付きのVHSというハードル高い環境で見ました。
「ゼログラビティ」の監督ってメキシコ出身なのね。あれとこれの関連性を見つけるのは、とても難しいけど、ビーチと命が重要な要素だというところは同じだ。あの映画でも、最後にたどり着いたビーチで、地球に戻ってきた「gravity(原題)」を感じて終わる。この映画では、若くてバカでエネルギーだらけの少年たちが生を交わすという、生命の絶頂と、その裏で知られずに燃え尽きる生命が描かれます。

ルイザの側から見れば、「死ぬ前にしておきたいxxのこと」映画、テノッチとフリオから見れば「オン・ザ・ロード」。私は赤ん坊みたいな小僧たちに感情移入して、ワーイワーイ、って感じで楽しく見てましたが(とても可愛いんです、この子たち)、彼らも時が経てばちゃんと学校に戻り、真顔で経済学だのなんだの勉強して、こんどは自分たちの中の常識の部分をフル活動させて、マトモなオトナになっていくのです。

どうせ生きるなら、楽しく生きたいもんだ。思い切りバカなことも、たまにはするといい。と思います。