映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アレハンドロ・ホドロフスキー「エル・トポ」761本目

あのホドロフスキー出世作
ジョン・レノンオノ・ヨーコが大絶賛したとか、いろんな評判を聞くけど、自分が神になって監督も主演もなんでもかんでもやって、息子も出演させるなんて映画は、狂人の世界だから面白いというなんだろうと思う。

私はダリは好きなのに(あれほどの自意識と強烈さにもかかわらず)、ホドロフスキーの自己愛に反撥をおぼえるのはなぜだろう?それは、ダリがなんだかんだ言って妻のガラがいなければ一人で立っていられないような弱さも抱えていたからかな?それと比較してホドロフスキーの自我は、若干地味ながら周囲を巻き込んで破壊するような強烈な自己肯定感が満ちている。そこが嫌いなんだと思う。

フリークスはどちらかというと“好き“、興味深いしあらゆるいろんな種類の人たち、普段出会わない人たちに映画で出会うことは常にエキサイティングだけど、兎の大量虐殺はナシだ。
正直、この人の次回作のために膨大な資金を提供する人の気が知れないや…。
好き嫌いを別にしても、この人はちょっとイカンだろう。